イベント詳細

【第1回班会議】

日時:平成27年6月1日(月)13:00 ~ 3日(水)12:30
場所:ザ・ルイガンス(福岡市東区)
主催:神田大輔(領域代表者,九州大学)
参加者:クローズド,計画班員および公募班員の34名が口頭発表をおこなった. 1演題25分(発表15分、質疑応答10分)

集合写真.この後,激しい雨になりました.

班会議の報告1

「動的構造生命」第1回班会議に参加して

横浜市立大学生命医科学研究科 古川亜矢子

平成27年6月1日から3日に福岡県ホテル”ルイガンス”にて新学術領域「動的構造生命」のキックオフ班会議が行われました。目の前に海が広がり懇親会は屋外でのバーベキューで、他の班員の先生方と気軽に話ができる雰囲気がとても良かったです。今回の班会議では、計画班、公募班共に25分(発表15分質疑10分)でこれまでの研究成果や今後の研究計画について発表しました。私はA03班で採択していただき、「課題名:インプリンティング遺伝子のDNAメチル化模様を制御するDnmt3aの過渡的複合体の解析」の研究計画について発表を行いました。1日目のA01班は、タンパク質の動的な構造を捉えるための、X線結晶構造解析、高速AFM、溶液NMR、蛍光一分子イメージング、クライオ電子顕微鏡などの新規技術開発についての発表でした。結晶中に隙間を創り出して蛋白質の動きを見る方法や、放射線による損傷の影響を受けない無損傷構造解析法と時間分割構造解析法との組み合せによる反応中間体の構造解析法など結晶構造解析によって動的な構造を捉えることができる技術を知りました。クライオ電子顕微鏡法は、タンパク質複合体中の数多く存在する構造をも検出できるようにすることを目的とすると発表していました。高速AFMは、班員の多くの研究者が利用しており一分子の生体分子の動きを可視化できるツールとして普及しているのだと実感しました。2日目のA02班は、細胞内のタンパク質の動的挙動を捉える技術とその応用についての発表でした。In-cell NMRは、細胞内の安定同位体標識タンパク質のNMRシグナルを観測するために、細胞の培養方法、標識タンパク質の導入方法、NMRの測定方法、タンパク質の何を対象に観測するかなどが工夫されていて大変勉強になりました。また、細胞質交換のできるリシール細胞や人工生体膜チップの技術には特に驚き、この技術を使ってみたいなと思いました。3日目のA03班は、新規の動的構造測定技術を応用して生命現象を明らかにするという枠組みではありましたが、発表には新規技術の開発も多く含まれていました。ターゲット分子がはっきりしていることで、どのように新規技術を利用したら良いか組み合わせたら良いかなどが分かりやすく参考になりました。
この班会議を通して、各研究の背景をよく理解でき今後共同研究を進めるための良い機会になりました。専門分野のNMRだけではなく、今回発表されていた新しい技術を多く取り入れて研究を進めていきたいと思います。最後に今回公募班として参加させていただけたことに心より感謝申し上げます。

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班会議の報告2

第1回班会議報告記

東京大学大学院総合文化研究科 矢島潤一郎

蝋燭が数メートルおきに燈された廊下の突き当りにある重厚な扉を開けると、一面赤褐色の壁に囲まれた、魔法使い学校の一室のような映画のワンシーンを想起させる空間が拡がり、そこで「動的構造生命科学を拓く新発想測定技術」に関する領域の第一回班会議が開催されていました。この班会議は2015年6月1日から3日間、「タンパク質が動作する姿を活写する」ための新たな発想に基づく方法論や乗り越えるべき課題及び困難を克服した際に得られる結果の意義に関する議論が、時には熱く時には冷静に繰り広げられました。発表される研究計画は、我々が暮らす日常からかけ離れた時間・空間スケールで語られ、研究分野も多岐にわたっていましたが、議論は絶えることなく続き、異なる学問領域を単に融合させるというのではなく、全く新しい研究分野を創出することを希求し、これから魔法のような非常識的な(決して非現実的でも非道徳的でもないことには留意)、前例のない研究が展開されていくことをヒシヒシと強く感じたのは私だけではなかったはずです。
発表された研究は面白いものばかりで紙面の都合上全てを報告することができないのが残念ですが、高速AFMによるタンパク質の動きをありのままに見ること、in-cell NMRや光検出核磁気共鳴法により細胞内の生命反応を駆動するタンパク質をリアルタイムで追跡すること、細胞質移植技術により細胞内のタンパク質の質・量を思いのままにコントロールすること、FRET技術により細胞深部の1分子タンパク質の構造状態を明らかにすること、シミュレーション技術によりタンパク質の各状態の点と点を繋ぐ線の形もしくは点自体の存在を見出すことなど、生命科学に携わる人々の長年の夢が着実に実現できそうで、定量的な形での「知の蓄積」への貢献は計り知れません。これらいくつかの新発想技術の講習会が開催予定とのことですが、大変楽しみにしております。
私は公募班員として本領域に新たに参加させていただきました。初めてお会いする方が多かったのですが、密にディスカッションができ異なった視点から自身の研究に対するコメントを戴きましたし、今すぐに試してみたい方法やアイデアに出逢うことが出来ました。加えて、日頃同じ大学内の隣の建物で過ごしながらも話す機会が滅多にない研究者の方、英国で研究をしていた時に同じ釜(Pub)の飯(Beer)を共にした研究者、偶然にも青春時代を謳歌した同郷の高校出身の研究者、既に共同研究を行っている研究者の方々と、込み入った話をしたり、共同研究の可能性を議論できたりと、大変有意義な数日間でした。最後に、動的な構造体である生命の謎を解き明かすことを目標と掲げている本領域の公募班員とし参加させていただけたことに、改めて心より感謝申し上げます。

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