イベント詳細

【第2回班会議】

日時:平成28年4月18日(月)〜 4月20日(水)
場所:クロス・ウェーブ幕張(〒261-8501千葉市美浜区中瀬 1-3幕張テクノガーデンA棟)
主催:神田大輔(九州大学)
参加者:クローズド,計画班員および公募班員の35名が口頭発表をおこなった. 1演題25分(発表15分、質疑応答10分)

集合写真.背景は会場のクロス・ウェーブ幕張の建物

班会議の報告1

動的構造生命 第2回班会議報告記

北海道大学理学研究院 斉尾 智英

動的構造生命第2回班会議は千葉県の研修施設「セミナーハウス クロス・ウェーブ幕張」にて2016年4月18日から20日までの3日間開催されました。今回の会議では2日目の午後に意見交換会が設けられ、それに続いて夕方から夜遅くまで研究発表と長時間にわたり活発な議論が行われました。日中の意見交換会や会議終了後においては共同研究を行っている研究者とより実際的な議論を行うことができたことに加え、専門分野の異なる複数の研究者と密なディスカッションを行うことで新たな研究展開へと繋がる貴重なご意見をいただきました。学会などの場での限られた時間ではできないような濃密で実際的な議論ができ、刺激的で実りの多い3日間となりました。
私はA01班の公募班員として参加させていただき、NMRを主体としたタンパク質の構造変化を解析する手法開発について発表しました。分野の異なる研究者の方々からも異なった視点からのご意見、アドバイスをいただくことができました。会議にて班員の研究者から発表された研究は手法開発から応用まで幅広く、また用いられる手法もX-線結晶解析、NMR、高速AFM、クライオ電子顕微鏡、分子動力学シミュレーションなど多岐にわたりましたが、それぞれが “タンパク質が動作する姿を活写する” という共通した目標を持ち、どの研究発表も大変魅力的でした。自身の研究にすぐにでも取り入れたいような技術についても多く発表され、刺激になりました。NMR関連の研究においては、特にin-cell NMRに対して、高感度での測定を可能にするダイヤモンド粒子を使った光検出磁気共鳴法、 長時間の測定を可能にする培地灌流法、限られた立体構造情報からより高精度での立体構造決定を可能にする構造計算法、など多方面からの手法開発、高度化、応用が発表され、大変勉強になりました。こうした技術の進展により細胞内でのタンパク質の立体構造、相互作用などがより詳細に解析できるようになり、 細胞内のタンパク質の挙動が明らかになりつつあり、興味深く拝聴しました。また班員間での連携、特に高速AFMを用いた連携がさらに加速していることが印象的でした。それぞれの研究者ごとに対象は異なるものの、高速AFMをNMRやX線結晶解析などの結果と組み合わせることによって、タンパク質が動的に機能する姿が見えつつあると感じました。高速AFMの高度化についても発表され、高速AFMが今後さらに高機能で拡張性の高いものになり、本領域の研究をさらに発展させると期待が高まりました。高速AFMをはじめ、いくつかの研究手法については今後講習会が予定されているとのことですので、私も是非そのような講習会に参加し、最新の手法を学び自身の研究に生かしたいと楽しみにしています。最後に、本領域の公募班員として参加させていただけたことに心より感謝申し上げます。

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班会議の報告2

動的構造生命 第2回班会議報告

京都大学大学院農学研究科 木村 泰久

新学術領域「動的構造生命」の第2回班会議は2016年4月18日より3日間、千葉県幕張のクロス・ウェーブ幕張にて開催されました。全体的に班員同士の議論や意見交換は活発であり、時間も十分取られていたことから、各々、新しい技術を自らの研究に応用するためのアプローチ法や実際に運用している方からのアドバイスなど有意義な情報を得られたのではないだろうかと思います。私自身はA03班の公募班員として採択いただいたことをきっかけとして開始した「高速AFMを用いたABCタンパク質の動き解析」について発表しましたが、AFM画像の解釈やサンプル調製の改良点など、今後の研究を進めるに当たって有意義なアイデアを頂きました。また、我々のタンパク質発現法を応用したいと言う共同研究の提案もいただき、大変に感謝しています。
本会議では様々な理念に基づいた”タンパク質の動いている姿を捉えよう”とする新技術の発表が多く、自分の研究しているタンパク質に使わせていただいたら、どんな新しいことが分かるだろうかと興味が尽きることはありませんでした。いずれの発表も興味深い内容でしたが、いくつか抜粋して紹介したいと思います。まず電子顕微鏡を用いた単粒子解析法による構造決定では分解能の向上が大きく目を引きました。電子顕微鏡による単粒子解析はこれまであまり高分解能の立体像は得られていませんでしたが、近年の電子顕微鏡分野の発展はすばらしく、ほぼ原子分解能に近いようなレベルで構造解析が出来る時代になっていることを痛感しました。また、in-cell NMRの発展についても興味深く拝聴しました。特に発現させるだけでなく、細胞に一度穴を開けて目的タンパク質を導入して再度穴を閉じるなど、新しい技術が議論されていたことが印象に残りました。その他にも新しい概念に基づいた超解像顕微鏡など自身の研究にも使用したいと思える技術開発もありました。特にAFMの技術開発はすばらしく今後の発展に期待されます。また、BARドメインタンパク質やトランスロコン、鞭毛タンパク質などユニークなタンパク質の発表では、生物の多様な戦略を垣間見ることができました。いくつかについては懇親会で発表者の先生に追加説明をいただき、その巧緻なメカニズムに感心しました。
今回の班会議では金沢大学との共同研究により、様々なタンパク質および複合体のAFM解析の結果が発表されていました。我々も公募班員としてAFM研究をスタートできたことは大きな一歩だと捉えています。その中で、異なる種類のタンパク質について実際にAFMで観察された動きと、結晶構造から予想される動きの違いについて多くの方と議論ができたのは大きな収穫でした。

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